昨日は
サッカー日本代表対Jリーグ選抜の、被災者支援チャリティーマッチを
見ていました。
途中まではやっぱり日本代表の方が有利なのかなあと思ってみていたら、
後半の中盤で出てきたJリーグ代表、最年長44歳の三浦知良選手が
やってくれました!
サイコーのシュート、貴重な1点。久々にカズダンスまで見れました。
最終的な結果はさておき、カズさんのシュートといい、選手ひとりひとりの
真剣で熱いまなざしを見ていたら、ひとりひとりの“思い”はもちろんのこと、
「この人たちは、自分自身の役割というものについて知り尽くし、
それぞれが自分の役割をきっちりつとめているんだなあ」と、切に感じました。
みなさん、力強く、とてもいい顔をしていました。
そこに、思いや真摯さを感じ、すがすがしい気持ちになりました。
わたしはというと…
前回の記事、東京に行って帰ってきてからというもの、毎日夜中まで、
1日十数時間ひたすらパソコンに向かう日々。
1分1秒も惜しんで、とにかく休みなく手を止めることなく作業をやるしかない
毎日を過ごしていました。
おかげで左腕が腱鞘炎なのか、フライパンを片手で持つ事すらできませんが
仕事は待ってはくれません。
毎日、たくさんのメールや電話への応対と自分自身の作業。合間に打合せ外出。
吐き気がするほどの焦りと緊張とプレッシャーが続く毎日、
そんな中、その日、3.11はやってきました。
その日の午後、打合せを終えて自宅の駐車場に車を止めた瞬間、
東京のお客さんから電話をいただき、車中のまま話をしていました。
そして、なんか電話の向こうがざわついてると感じたあと、その方が
「今、地震が来てますね。もしかしたら自分が今まで体験した中でも
いちばん大きいかも。」と落ち着いて何気に言われました。
「大丈夫ですか?」とだんだんこっちも緊迫してきて「電話切りましょうか?」
と言うと、「いや、今切るときっともうつながらないから」と言われ
相手の方は机の下に避難して話を続けられました。
電話が終わったあとすぐに、テレビを付けた時、
「震源地は東京じゃなかったんだ」と思ったのも束の間、
流れてくるその映像に愕然としました。
何が起きているのか、だんだんとそのカタチが明らかになってくるにつけ、
今度は頭の中がパニックです。
今回の仕事のトップクライアントさんは大企業。
東北にも工場や関連企業があります。
「クライアントさんの会社はどうなってる?」「東京のチームの人たちは?」
「納期は?」「オープンはどうなる?」「ショップをどうする?」
「私は、私たちは何をすればいい?」「今、取り急ぎ何からやればいい?」…と、
でも、その夜や次の日、関東圏もたいへんな交通他混乱の中、3時間かけて
歩いて帰り、次の日は会社に出てきました、とか、「私は大丈夫です」とか、
東京のチームの人たちの声を聞き、九州にいる私たちはもっと落ち着いて
対処しなきゃと、少しずついろんなことを考えていけるようになりました。
日本人って、いや、人間ってすごいなと思います。
あんなたいへんな状況に陥ってても、みんなそれでも「仕事しなきゃ」
「会社に行かなきゃ」といちばんに考える。
と、そうはいっても私は実は次の日、友人から回ってきた
「節電に協力ください」のチェーンメール、内容は間違っていないと思ったので
数人の友人に送ってしまい、同じ人から回ってきたメールだったのに
落ち着いて対処し、送り回さなかった副店長に後でしかられました。
「チェーンメールは送っちゃだめなのよ」と。
とにかくできることからと、すぐに募金に献血にブログにと
即、行動をはじめた副店長。
そんな彼女を「えらいなー」と思いつつ、ちょっぴり焦りながらも
がんばってるお客さんのことを思いパソコンに向かい続けていた私。
作業しながらも、「何やってるんだろう、自分。これでいいんだろうか?」
と、自問自答していました。
でも、そんな中で考えたのです。
たとえ、直接的ではなく、間接的でも、“思い”がそこにある以上、
今ここで自分ができることを一生懸命やれば、何かにつながって
いくんじゃないだろうか?って。
今、目の前にあること、目の前にいる人を大事にすることで、
ひいては誰かのためになっていくんじゃないだろうか?って。
だから、今、目の前にある仕事をがんばるしかない。
そう、自分に言い聞かせました。
そしてショップは続けよう。
イベントなんかできない、それどころかアップもできなくて、
開店休業のような今だけど、“そこに行けばある”ものとして、開いておこう。
そうすれば誰かとつながってる。
そして先週くらいから、ショップにはまた、お客様が訪れはじめました。
その中でおひとり、ご住所が山形県の方がおられ、どうしても心配になって
連絡メールに「そちらは大丈夫ですか?」とメッセージを加えました。
そうしたらその方からお返事をいただきました。
「こちらはさほど被害に遭わず大丈夫です。」と。
加えて、メッセージへのお礼と、最後の方に
「心を強く持ってがんばろうと思います。」と、書いてありました。
その言葉に、お客様を心配していたはずが、こちらが勇気をもらい、
なんか力をもらいました。「そう、こっちも心を強く持たなきゃ」と。
そうしないと、応援はできない。
震災後、毎日の報道の中、悪いニュースや話も次々に出てきています。
でも、その何倍も、いいニュースやお話もいっぱい入ってきます。
今回の災害で、壊れたものや失われたものは数えきれません。
でも、私にもたくさんの人の中にも、何かしら“気づき”が生まれました。
間接的でも直接的でも、たくさんの方が何かを“感じ”、“思い”を胸に
行動を起こしました。
そして、ある方のメルマガにこんなことが載っていました。
すべては間接的につながっているという話の流れから…
被災地に行って何かしたい⇒したいこと
被災地以外で何かをする⇒効果があること
「したいこと」が「好きだけど似合わない色を着ること」だとしたら
「効果があること」は「似合う色を着ること」。
あなたはどちらを選びますか? というような内容のものでした。
どちらが正しいとかではないけれど、なんかズキンときました。
ひとつだけ、私にわかることがあるとするならば、
どんな人でも、“笑顔”には力があるということです。
何もできないように思っても、あなたの笑顔がきっと、あなたの周りの
誰かを笑顔にしています。
私は有名人ではないので、大勢の人をいっぺんに笑顔にすることはできませんが、
きっと、少なくともひとりは笑顔にすることができるはずだと思っています。
ひとりひとりが大切な誰かの笑顔の元になっているのだとしたら、
何もできていない人など、きっとひとりもいません。
みんな、ひとりひとり、価値がある人間です。
きっと誰かが誰かの力になっていて、
その力は笑顔はつながっていっているんだと、そう思います。
遠くにいても、近くにいても…。
私自身、自分の“役割”について、じっくり考え、やっていこうと思います。
まず当面は今の仕事をまっとうすること。
今、抱えてる仕事、この戦いは少なくとも4月末まで続きますが、
自分の役割を果たしたいと思います。
ショップでは副店長と話し合い、今月より、毎月の売上金の一部を義援金として
寄付し、継続していくことに決めました。
何事もスロースターターで、仕事以外は口べたな私にしては
とても長いブログとなり、また照れくさい事もいっぱい書いたようです。
それでも、まとまったからと思って書き始めても、なんだかまだ
書き忘れてるような…そんな気分は残っています。なぜかな。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
そして、ショップを訪問してくださった方々、ありがとうございます。
また、メールをくださった方、ありがとうございます。
そして、私の代わりにショップを守ってくれている副店長、ありがとう。
いつもお世話になっている皆さま、本当にありがとうございます。
明日、誰かを笑顔にできるよう、私は今日の私をがんばります。
宗像市鎮国寺の桜。まだまだですが、春は確実にやってきています。